インプラント治療は、失った歯を人工歯根で補う画期的な治療法です。
しかし、インプラント治療を受けた後も、適切なケアを怠ると、インプラント歯周炎という恐ろしい病気に罹患する可能性があります。
インプラント歯周炎は、インプラント周囲の組織に炎症が起こる病気です。
放置するとインプラントの脱落につながることもあります。
今回の記事では、
インプラント歯周炎の原因
症状
治療法
をわかりやすく解説します。
- インプラント治療を受けた方
- これからインプラント治療を検討している方
は、ぜひ参考にしてください。
インプラント歯周炎とは?
インプラント歯周炎とは、インプラント周囲の組織に炎症が起こる病気です。
天然歯の歯周病と似ています。
しかし、インプラント歯周炎は歯槽骨ではなく、インプラントを支える人工の骨である「人工骨」が破壊される点が特徴です。
インプラント歯周炎の原因
インプラント歯周炎の原因は、天然歯の歯周病と同じように、プラーク(歯垢)の蓄積です。
プラークが溜まると、歯周病菌が増殖します。
炎症を引き起こします。
インプラント歯周炎のリスクを高める要因としては、以下のようなものがあります。
- 口腔衛生状態が悪い
- 糖尿病などの持病がある
- 喫煙している
- ストレスが多い
- 定期的なメンテナンスを受けていない
インプラント歯周炎は、インプラント周囲の組織に炎症が起こる病気で、放置するとインプラントの脱落につながることもあります。
この記事では、インプラント専門医が、インプラント歯周炎のリスクを高める5つの要因を詳しく解説します。
口腔衛生状態が悪い
インプラント歯周炎の最も大きな原因は、口腔衛生状態の悪化です。
歯磨きが不十分。
定期的な歯科検診を受けていない。
こうした状態で放置すると、プラーク(歯垢)が溜まります。
歯周病菌が増殖しやすくなります。
歯周病菌は、インプラント周囲の組織にも感染します。
炎症を引き起こします。
天然歯の歯周病と同様に、インプラント歯周炎も進行性の病気です。
早期発見・早期治療が重要です。
口腔衛生状態を良好に保つためのポイント
- 毎日、朝晩2回しっかりと歯磨きをする
- 歯間ブラシやデンタルフロスを使って、歯間の汚れもしっかりと落とす
- 定期的に歯科医院で検診を受け、歯垢や歯石を除去してもらう
- 口腔内乾燥を防ぐために、水分をこまめに摂取する
- バランスのとれた食事を摂り、栄養不足にならないようにする
糖尿病などの持病がある
糖尿病などの持病を持っている方は、インプラント歯周炎のリスクが高くなります。
糖尿病は、免疫力の低下や血流障害などの原因となります。
歯周病菌に対する抵抗力が弱くなります。
また、傷の治癒が遅くなります。
そのため、インプラント周囲組織の炎症が長引く可能性もあります。
持病がある場合は、歯科医師に相談
インプラント治療を受ける前に、必ず歯科医師に持病について相談しましょう。
歯科医師は、患者様の状態を総合的に判断し、適切な治療計画を立ててくれます。
喫煙している
喫煙は、歯周病菌の増殖を促進します。
インプラント歯周炎のリスクを高めることがわかっています。
喫煙によって、歯周組織の血流が悪くなります。
酸素や栄養素が行き渡りにくくなります。
また、傷の治癒が遅くなります。
そのため、インプラント周囲組織の炎症が長引く可能性もあります。
禁煙はインプラント歯周炎予防に効果的
インプラント歯周炎のリスクを軽減するためには、禁煙が最も効果的です。
どうしても禁煙できない場合は、歯科医師に相談しましょう。
適切な予防策を講じましょう。
ストレスが多い
ストレスは、免疫力を低下させます。
歯周病菌に対する抵抗力を弱めます。
また、口内乾燥の原因となります。
プラークが溜まりやすくなります。
ストレスを溜めない生活習慣を
ストレスを溜めないためには、規則正しい生活習慣を心がけることが大切です。
- 十分な睡眠
- 適度な運動
- バランスのとれた食事
を心がけましょう。
ストレス解消法を見つけることも有効です。
定期的なメンテナンスを受けていない
インプラント治療を受けた後は、定期的なメンテナンスを受けることが大切です。
歯科医院で定期的に検診を受けましょう。
プラークや歯石を除去してもらうことで、インプラント歯周炎の予防に効果があります。
定期的なメンテナンスの重要性
インプラントは、天然歯とは異なります。
自分で治癒する能力がありません。
そのため、定期的なメンテナンスで早期に異常を発見・治療することが重要です。
歯科医師の指示に従い、定期的にメンテナンスを受けましょう。
インプラント歯周炎の症状
インプラント歯周炎の症状としては、以下のようなものがあります。
- インプラント周囲の歯肉が腫れる
- インプラント周囲の歯肉から出血する
- インプラント周囲の歯肉が痛む
- インプラント周囲の歯肉が膿む
- インプラントがグラグラする
これらの症状が現れたら、すぐに歯科医院を受診することが大切です。
インプラント歯周炎の治療法
インプラント歯周炎の治療法は、症状の程度によって異なります。
軽度の場合、歯垢を除去します。
抗菌薬を服用することで改善することができます。
しかし、症状が進行している場合は、外科手術が必要になることもあります。
また、インプラント歯周炎を予防するためには、以下の点に注意することが大切です。
- 毎日しっかりと歯磨きをする
- 定期的に歯科医院でメンテナンスを受ける
- バランスのとれた食事を摂る
- 喫煙を控える
- ストレスを溜めない
インプラント歯周炎は予防できる
インプラント歯周炎は、適切なケアによって予防することができます。
インプラント治療を受けた後は、歯科医師の指示に従って、しっかりと歯磨きを行いましょう。
定期的なメンテナンスを受けるようにしましょう。
また、日頃から口腔衛生状態を良好に保ちましょう。
健康的な生活習慣を心がけることも大切です。
インプラント歯周炎は、インプラント治療を受けた後も油断できない恐ろしい病気です。
しかし、適切なケアによって予防することができます。
インプラント治療を受けた方、これからインプラント治療を検討している方は、ぜひこの記事を参考に、インプラント歯周炎の予防に努めてください。
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