「う蝕」という言葉は聞き慣れないかもしれません。
「虫歯」のことです。
今回の記事では、歯科医の視点から、
- う蝕の原因や症状
- 予防法
についてわかりやすく解説します。
う蝕は、放っておくと歯を失う原因にもなる恐ろしい病気です。
この記事を読めば、う蝕について正しく理解しましょう。
健康な歯を保つための知識が得られます。
う蝕(虫歯)とは?
う蝕、つまり虫歯は、口の中にいる細菌が作り出す酸によって、歯の表面が溶けて穴があいてしまう病気です。
食べカスなどが歯に残ります。
そこに細菌が繁殖することで、酸が生成されます。
歯の成分であるカルシウムが溶け出してしまいます。
この状態を脱灰といいます。
進行すると歯に穴が開き、神経まで達してしまうこともあります。
う蝕の原因
う蝕の原因は主に以下の3つが挙げられます。
プラーク(歯垢)の形成
歯に付着した食べカスや細菌が、ネバネバした膜状のプラークを形成します。
プラークの中にいる細菌が酸を産生し、歯を溶かします。
糖分の摂取
糖分は、細菌の栄養源となります。
- 甘いものを頻繁に摂取する
- 食後に歯磨きをしない
ことで、プラーク中の細菌が増殖します。
う蝕のリスクが高まります。
唾液の分泌量
唾液には、中和作用や自浄作用があります。
う蝕を防ぐ働きがあります。
- 唾液の分泌量が少ない人
- 口呼吸をする人
上記に当てはまる人は、う蝕になりやすい傾向があります。
う蝕の症状
う蝕は、初期の段階では自覚症状がないことが多いです。
しかし、進行するにつれて以下の症状が現れることがあります。
歯の痛み
- 冷たいものや熱いものがしみる
- 甘いものがしみる
など。
歯の変色
歯が黒ずんだり、茶色くなったりする。
口臭
歯周病を併発している場合。
口臭が気になることがあります。
う蝕の進行
う蝕は、以下の4段階に分けられます。
- CO(着色): 歯の表面が白く濁ったり、着色が見られる状態。
- C1(エナメル質う蝕): エナメル質に穴があき始める状態。
- C2(象牙質う蝕): エナメル質を突き破り、象牙質まで達した状態。
- C3(歯髄炎): 歯の神経まで達し、激しい痛みを伴う状態。
う蝕の予防法
正しい歯磨き
歯ブラシを正しい角度で当てましょう。
- 歯と歯の間
- 歯と歯茎の境目
どちらも丁寧に磨きましょう。
定期的な歯科検診
半年に一度は歯科医院で検診を受けましょう。
早期発見・早期治療に努めましょう。
食生活の改善
- 糖分が多い食品や飲み物を控える
- 食後は歯を磨く
など、食生活に気を配りましょう。
フッ素の活用
フッ素は、歯を酸から守ります。
再石灰化を促進する効果があります。
フッ素配合の歯磨き粉を使用したり、歯科医院でフッ素塗布を受けるのもおすすめです。
う蝕とインプラントの関係性
う蝕は、インプラント治療の成功率を大きく左右する要因の一つです。
う蝕を放置しておくと、歯周病の原因となります。
顎の骨が痩せてしまいます。
インプラントを埋め込むことが難しくなる場合があります。
また、インプラント治療後も、残っている歯のう蝕や歯周病をしっかり管理しないと、インプラントの寿命を縮めてしまう可能性があります。
う蝕は、早期発見・早期治療が大切です。
日頃から正しい歯磨きを心掛け、定期的に歯科医院を受診しましょう。
健康な歯を長く保ちましょう。
インプラント治療を検討されている方は、事前にう蝕を治療します。
口腔内の状態を良好にしておくことが重要です。
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