歯磨きをしても、なぜ虫歯になってしまうのでしょうか?
その原因の一つに「歯垢」が挙げられます。
歯垢は、歯の表面に付着した細菌の集合体です。
放置するとむし歯や歯周病を引き起こす可能性があります。
今回の記事では、
- 歯垢がなぜ恐ろしいのか
- 歯垢と歯石の違い
- 歯垢を予防するための正しい歯磨き方法
などを、歯科医がわかりやすく解説します。
歯垢とは?
歯垢とは、歯の表面に付着する、白くてネバネバした、細菌の集合体です。
食べカスと勘違いする人もいます。
歯垢は唾液中のタンパク質や糖分と、口の中にいる数多くの細菌が混ざり合ってできたものです。
なぜ歯垢が恐ろしいのか?
歯垢の中に含まれる細菌は、糖分をエサにして酸を作り出します。
この酸が歯の表面を溶かします。
むし歯の原因となります。
また、歯垢の中にいる歯周病菌は、歯周病を引き起こします。
歯を支えている骨を溶かしてしまう可能性があります。
歯垢と歯石の違い
歯垢は、歯ブラシで落とせる柔らかいプラークです。
一方、歯石は、歯垢が石灰化したものです。
歯ブラシでは落とせません。
歯石は、歯垢が長期間歯に付着します。
唾液中のカルシウムと結合することで形成されます。
歯石は、歯周病を悪化させる原因となります。
そのため、歯科医院で定期的に除去してもらう必要があります。
歯垢を予防するための正しい歯磨き方法
歯ブラシの選び方
歯間に入り込みやすい形状の歯ブラシを選びましょう。
歯磨き粉の選び方
フッ素配合の歯磨き粉を選ぶと、歯の再石灰化を促します。
むし歯予防に効果があります。
磨き方
歯ブラシを歯面に45度~60度の角度で当てましょう。
小さな円を描くように磨きましょう。
- 歯と歯の間
- 歯と歯ぐきの境目
も丁寧に磨くことが大切です。
歯間ブラシの活用
歯ブラシだけでは届きにくい歯と歯の間を、歯間ブラシで清掃しましょう。
デンタルフロスの使用
歯と歯の間の汚れを、デンタルフロスで取り除きましょう。
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定期的な歯科検診
歯科医院で定期的に歯のクリーニングを受けることで、歯垢や歯石を除去しましょう。
口腔内の健康を維持しましょう。
歯垢を放置するとどうなる?
歯垢を放置すると、以下の問題が起こる可能性があります。
むし歯
歯が溶け、穴があいてしまう
歯周病
歯を支えている骨が溶け、歯がぐらついて抜け落ちる
口臭
口腔内の細菌が増殖し、口臭の原因となる
全身疾患
歯周病は、糖尿病や心臓病などの全身疾患のリスクを高める可能性がある
歯垢は、むし歯や歯周病の原因となります。
そのため、こまめな歯磨きと定期的な歯科検診が大切です。
歯垢を放置すると、歯を失う可能性もあります。
ご自身の歯を健康に保つために、正しい口腔ケアを心がけましょう。
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